中世大和武士のうち、もっとも武家として由緒正しく、その活躍の目ざましかったものは越智氏である。大和中世史は越智党と筒井党の抗争史といわれるほど越智氏は名豪族であり、今も村人の間で越智氏のことが語り伝えられている。又その先祖については、清和源氏説、あるいは物部氏などの説がある。
鎌倉時代も終りに近い正和5年(1316)越智邦永が北条高時の暴悪政治に抗して、敢然謀叛の旗を粉盛山の城館に飜えし、寡兵よく再三に亘って六波羅勢と戦っている。
その後、南北朝時代に入り、邦永の子邦澄は、後醍醐天皇の南朝方に加担し、元弘3年(1333)護良親王の令旨を受け高取城を築城。又、貝吹山、玉手、佐田の山々にも支城をつくったという。
以来天正11年(1583)8月に越智玄蕃頭家秀を最後に滅亡するまでの約200年間、奈良盆地の南端に君臨し、中世文化を育てた。
敷妙の 袖交へし君 玉垂の
越野過ぎ去< 亦も逢はめやも
(万葉集 195番)
泊瀬部皇女
越智氏奉賛会設立趣意書(入会のご案内)
奈良・大和の国は、古代・中世・近世に至るまで政治・文化の中枢の地でありました。中でも大和盆地の南端に位置する高取町は、豊かな自然に恵まれ、数多くの文化財を有し、古代より吉野に通じる交通の要所にあります。くすりの町として栄え、健康の町づくりを宣言しています。
現代にあって我々をとりまく環境は絶えず変化しています。その中にあって、心の拠りどころをどこに持つかが肝心です。人間関係を良くし、家族はもとより地元・地域社会の連携、相互信頼・扶助をはかるために正しい心の持ち方をどう養えば良いのかと考える時に、それは郷土愛ではないかと思うのです。家族や地域を慈しみ、郷土の良さを再発見し、自信と誇りを持てる人間性を大切にしたいものであります。
とりわけ我が郷土には山城として全国一の規模を誇る高取城跡があります。この城を最初に築いたのは元弘2年(1332)南朝方重臣越智氏第9代邦澄公であります。今世紀の目まぐるしく変わる現代社会にも共通し、混沌とした激動の中世期を越智氏は生きぬきました。常に忠義と五常を携えて、敢然と立ち向かった史実は周知のごとくであり、また郷土繁栄を願い文化と教養を広めたことは誠に誇りとするところであります。
奉賛会では歴史勉強会や家門の歴史をつなぐシンポジウム、史跡巡り、懇親会などを開催し、会員相互のつながりが有意義なものになることを願うものであります。
そして越智氏とともに係わる中世史を基軸において、その歴史を共有し、遺徳を偲び、越智氏が築き上げた功績を顕彰したくここに発願いたします。越智氏勤王700年の節目を目前にこの布石を打つことで郷土の活性化はもとより、全国の縁者や、歴史愛好家が集う会になりますように。また郷土の歴史を発信することでつながるご縁を大切にできれば何よりも幸甚であります。
以上の趣旨にご賛同の方は、ぜひご入会いただきたくご案内申し上げます。
奉賛会会費は以下のとおりです。
個人年会費:1,000円
法人(団体)年会費:5,000円
(会費は入会時に納入していただき、以後は毎年4月納入となります)
越智氏奉賛会事務局
〒635-0144奈良県高市郡高取町越智24光雲寺内℡(0745)62-3315
会則の詳細につきましては、下記の光雲寺ホームページをご参照ください。
http://www.kouunzenji.jp/(「光雲寺公式サイト」で検索)
ご興味のある方は是非、越智氏奉賛会にご入会ください。